ピンク色からオレンジ色まで柔らかな色合いが美しいモルガナイト
アクアマリンやエメラルドと同じベリル(緑柱石)の鉱物グループの一種で、もともとはピンクベリルと呼ばれていました。鉱物中に含まれるマンガンの量によってピンクや紫、オレンジなどの色になり、青みが強く、彩度の高い濃いピンク色をしたものが高品質とされます。
財界人とモルガナイト
モルガナイトは発見されて間もない宝石で、1910年に発見されました。20世紀初頭アメリカの財政破綻を救った財界人、J.Pモルガンに由来し名付けられました。アメリカの大財閥の一つモルガン財閥の創始者であるJ.Pモルガンは、財界人としてだけでなく、宝石コレクターとしても有名でした。宝石を集めるだけでなく、新種の宝石を発見することにも情熱を注いでいた彼とモルガナイトを結びつけたのはジュエリー世界5大宝飾店の一つティファニー。
ティファニーの副社長にして宝石学の権威であったクンツ博士は友人であり、またJPモルガンは彼の最大の支援者でした。新種の発見に注力していたモルガン支援の下、マダガスカル島でモルガナイトの鉱床を発見し、その功績に感謝の意を表し、彼の名前モルガンから名前を取り”モルガナイト”と名づけられました。
名作の文学のなかで・・・
フィッツ・ジェラルドの代表作かつ最高傑作ともされる、アメリカの文学を代表する名作グレートギャツビー。第一次世界大戦後の高揚とした気分から、アメリカンドリームを夢見た成り上がり者が主役の物語。
そんな人々が浮かれていた当時の時代背景とともに、ニューヨークの華やかな社交界を描き、そこで繰り広げられる金と男女の恋愛模様が描かれている作中にモルガナイトが登場します。
社交界にはジュエリーがかかせませんよね。グレートギャツビーは映画としても公開され、ティファニーがジュエリー提供しています。目がくらむような大きさのモルガナイトのバングルが登場し、映画に美しく彩りを添えています。