友達の結婚式やデートなど、「ここぞ!」の時に使えるように、大事に保管しておいたアクセサリーが、変色してしまっていたという経験はありませんか?
アクセサリーを付けてお出かけした後は、疲れてついそのまま保管しがちですが、実は外してからのケアがとても大切です。
ここでは素材に分けて、アクセサリーのお手入れ方法を解説させていただきます。
地金とは
アクセサリーの素材を調べた時に、「ホワイトゴールド」「プラチナ」「シルバー」などの名前をよく聞きますよね。それらのように、貴金属の素材となっているものを、「地金」と言います。
国語辞典で調べると「地金」という言葉は、“メッキなどをしてある物の下に使ってある金属”“生まれつきの性質”と記載されています。地金はまさにそのアクセサリーの本質そのものです。そのため、それぞれの本質に合ったお手入れが必要になります。
さらに地金の中にも、それぞれの純度や、割金と呼ばれる追加する金属によって、表記のなされ方が変わります。
代表的な地金を、アクセサリーに多く刻印されている表記とともに、お手入れ方法をご紹介します。
SILVER・シルバー(Ag1000,Ag950,Ag900)
Ag○○〇と続く数字は、シルバーの含まれているパーセンテージを表します。Ag925なら、92.5%が銀でできていて、残りの7.5%は他の金属が混ぜられています。(すべてシルバーで作ると、柔らか過ぎてアクセサリーとして不向きな材質のため)地金がシルバーの素材のアクセサリーで、1番気を付けたいことは、温泉などの硫黄の成分に触れさせない事です。温泉に入る時は、必ずシルバーアクセサリーを外すようにしてください。硫黄と触れることが無くても、シルバーはとても黒く変色しやすい材質です。使用後はアクセサリークロスや、メガネ拭きなどの柔らかい布で、アクセサリーに付着した皮脂などを落とします。また、ネットショッピングでシルバーアクセサリーを購入されたことのある方は、小さなジップバッグにアクセサリーが入れられて届けられた経験はないでしょうか。シルバーは空気に触れることでも、変色が起きやすいため、このような方法で商品が届くことがあります。ご自宅での保管でも、しばらく使用しないであろうシルバーアクセサリーは、小型のジップバッグに保存すると良いでしょう。
GOLD・ゴールド(K24,K18,K10)
ゴールドは、単純にパーセンテージの表示ではなく、K24が100%金でできたもの、K18は75%が金でできているもの、と、シルバーと刻印の数字の意味が異なります。また、割金と呼ばれる追加する金属の種類によって刻印が異なっている場合もあります。例として、「pink gold」と記載されているものは、ゴールドに割金として銅を混ぜることによって、ピンク味がかったゴールドを作りあげています。
ゴールドのアクセサリーは、その含有率によって、特徴が異なります。K24の純金と呼ばれる素材は、酸化に強く、変色の恐れがあまりありません。ただし、柔らかくとても傷のつきやすい金属なので、使用時に注意が必要です。汚れが気になる場合は、専用の柔らかい布でふき取るようにしてください。傷がついてしまうため、研磨剤の入った布などは、絶対に使用しないようにしてください。
一方、K18,K10などの金の含有率が低くなると、変色の恐れが高まります。特に皮脂汚れが付着したままになると、皮脂汚れが酸化し、アクセサリーが変色します。K10は金の含有率が低いので、特に注意してください。K18の物でも、長時間使用すると変色が気になる場合が出てきます。金の含有率が低くなると、傷への耐性は強くなるため、K18,K10のゴールドは、毛の柔らかい歯ブラシなどを少し濡らして、汚れを落とすことも可能です。
Pt・プラチナ(Pt1000,Pt950,Pt900)
プラチナの純度は、99.95%までしか高めることができません。そのため、Pt1000が99.95%の純度のプラチナのことを示しています。Pt950,Pt900は、プラチナの黒味を抑えるためにパラジウムが混ぜられていて、アクセサリーとして多く利用されています。汚れが気になってきた場合は、中性洗剤を洗面器に入れ水で溶かし、柔らかい布を湿らせてふき取るようにしてください。やわらかく、傷のつきやすい金属のため、研磨剤の入った溶剤や布は、絶対に使用しないでください。
石付きジュエリー
石付きの場合は、まず保存方法を確認しましょう。それぞれの宝石によって、固さや傷つきやすさが異なるため、アクセサリーを保管しているケースの中で、それぞれのアクセサリーがぶつかり合わないようにすることが大切です。
保管の次に大切なことが、アクセサリーの使用後のケアです。宝石の中には、時間がたつと皮脂などの油汚れが酸化し取れにくくなってしまう物、水に濡れたままだと変色の原因となってしまう物など、さまざま性質があります。
ここでは、代表的な宝石と、そのお手入れ方法についてご説明いたします。
アメジスト 2月誕生石
直射日光に弱く、長時間当たっていると色あせの原因になります。急激な温度変化に弱く、ひび割れの原因となることがあります。スチーム洗浄などは絶対に行わないようにしてください。汚れがひどい場合は、超音波洗浄なども可能ですが、プロに相談の上、洗浄すると安心ですし、とても奇麗になります。
エメラルド 5月誕生石
傷はつきにくい石ですが、加熱などで割れやすい石です。調理などで火を使う際は必ず外すようにしてください。
傷は比較的付きにくい石なので、汚れが気になる場合は、水を張った入れ物の中に入れて、ブラシなどで洗うことが出来ます。衝撃にはとても弱いため、超音波洗浄は絶対にしないでください。
オパール 10月誕生石
衝撃、熱、乾燥にとても弱く、ひび割れの原因になってしまいます。超音波洗浄は絶対にしないでください。
水にも弱いため、汚れが目立ってきても、ふき取る程度のお手入れしかできません。アクセサリー使用後のふき取りを欠かさないように気を付けましょう。
トパーズ 11月誕生石
急激な温度変化が破損の原因になります。ドライヤーなどの使用時には必ず外すようにしてください。
水洗いが出来る石なので、汚れが気になる場合は、常温の石鹸水につけてから水気を切り、専用のクロスでふき取ると汚れが気にならなくなります。この際にも、熱いお湯や冷たい水に入れるなどしないように、気を付けてください。
超音波洗浄は絶対にしないでください。
ターコイズ(トルコ石) 12月誕生石
皮脂や油で、変色が起きやすい石です。使用後は必ず、専用のクロスでふき取るようにしましょう。
高温状態になると、変色や破損の原因になります。使用時はもちろん、保管場所も高温にならないように、気を付けましょう。汚れが気になる場合は、常温の石鹸水でふき取るようにしてください。水が内部にしみこむと、変色することもあります。表面を磨く程度にすると良いでしょう。
ムーンストーン 6月誕生石
とても割れやすい石のため、他のアクセサリーとぶつからないように気を付けてください。超音波洗浄も破損の原因になるので、絶対にしないでください。熱への耐性もないため、スチームクリーナーなども使用しないでください。
汚れが気になってしまった場合は、ぬるま湯の石鹸水でふき取るようにしてください。
ラピスラズリ
高温や、直射日光で変色が起きることがあるので、保管時には注意してください。また、果汁や化粧品も付着したままにしておくと、変色の原因になります。付着した場合はすぐにふき取るようにしてください。水洗いのできない石なので、使用後に専用のクロスでふき取ることが、とても大切になります。超音波洗浄やスチーム洗浄などは、絶対にしないでください。