無限に輝く紅茶色 アンダルサイト

スペインのアンダルシア地方で採掘されたことからその名がついたアンダルサイト。色は透明~不透明で紅茶のような褐色味を帯びた緑色の宝石で、強い多色性を持つ特徴があります。アンダルサイトを回転させるとオレンジや黄色、グリーンなどにキラキラと光り、光が差す角度で様々な表情を見ることができます。その強い多色性により目まぐるしく光輝く様子は、アンダルサイトダンスと呼ばれます。

アンダルサイトは世界各国で産出されますが、宝石質のものは産地が限られる特異な宝石です。産地が限られることによりレアストーンといわれるように。宝石質のアンダルサイトが採れる主な産地はスリランカやブラジルです。

モース硬度は6.5~7.5あり、水晶と変わらない硬さを持ちます。二方向に完全に強い劈開があり、特定の方向に割れやすい性質があり衝撃には注意が必要です。

鉱物学的アンダルサイトって?

アンダルサイトは、同質異像という性質を持っています。これは、同じ成分であるにも関わらず、生成状況によって性質や見た目や形が異なる結晶構造をしいることを言います。ケイ酸塩化合物の一種であり、同じ成分であるのに異なる性質と姿をしている宝石にシリマナイト、カイヤナイトがあります。

日本のアンダルサイト

アンダルサイトの和名は紅柱石で、マグマからの熱による変成岩の一種であるホルンフェルスの中で作られます。地質が若く、あまり宝石には恵まれない日本でも、アンダルサイトは各地から豊富に採掘されます。有名な産地は、三重県、京都府相楽郡、福島県石川町などです。
日本産のアンダルサイトは、鉄分を含んで赤みがかり、くっきりとした柱状のうつくしい結晶が特徴的です。
京都府で採れるアンダルサイトは、ホルンフェルスの中に釘が打ち込まれたように見えることから「釘こぼれ石」とも。

アンダルサイトの変種鉱物!

キャストライトは不透明な茶色をしたアンダルサイトの変種で、中央に炭素でできた黒い十字架模様が入っている鉱物です。十字架模様からクロスストーンとも呼ばれます。

キャストライトの語源は対角線の配列を意味するギリシャ語の「chiastos」からきています。少量ではあるものの、日本でも産出されており、和名は空晶石といいます。

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