美しい緑色と模様からのコントラストが美しいマラカイト
その美しさは葵の葉の色を思わせることから、ギリシア語の 『 malakhé : 葵 』 に由来すると言われています。
また、羽を広げた孔雀に似ていることから和名は孔雀石とも呼ばれます。
マラカイトは銅の鉱物の表面にできる錆の一種で、火で熱すると金属の銅が取れます。5000年前から銅の鉱石として利用され、古代エジプトでは壁画の顔料や化粧用として使用していました。
日本では緑色の岩絵の具「岩緑青(いわろくしょう)」と言う名で使用されています。
マラカイトは世界各地で産出されますが、日本でも秋田県の荒川鉱山で明治時代まで採取されていました。大規模に良質なマラカイトが産出されるロシアのウラル山脈は孔雀石の有名な産地で、サンクトペテルブルグにある冬の宮殿には孔雀石でできた大きな柱を使った「孔雀の間」があります。現在でもエルミタージュ美術館で見ることができ、人気を博しています。
マラカイトは硬度が低く、熱や酸、アンモニア、熱湯などに弱い性質がありますが、研磨すると同心円状の目の模様が美しく、ネックレスなどの装飾品を始め、箱、灰皿などのオブジェに至るまで幅広く利用されています。