琥珀 (アンバー)は植物の樹液が化石化した、いわば樹脂の化石です。
琥珀は表情豊かな宝石で、中に昆虫や植物が閉じ込められたり、色も黄や茶など様々な色があり、世界各国で産出され古くから装飾品として用いられてきました。
最も有名な産地はバルト海沿岸とドミニカ共和国やロシアです。世界の85%の琥珀はポーランドのグダンスク沿岸とロシアのカリーニングラード州地域から産出しているといわれています。他にはポーランド、ミャンマー、カナダ、メキシコ、日本の岩手県久慈市や千葉県銚子市等も琥珀の産地です。
産地によって名前が変わることがあり、バルト海沿岸地域のものはサクシナイト、ミャンマー産はバーマイト、シチリア産はシメタイトと各々呼ばれています。
女帝が寵愛した琥珀の間
ロシアの女帝エカテリーナ2世は、夏宮のエカテリーナ宮殿に内部を琥珀で覆い尽くした琥珀の間を設けました。
このエカテリーナ宮殿は、エカテリーナ2世から見て嫁ぎ先の叔父にあたるピョートル大帝がエカテリーナ1世に夏宮として与えられたもので、琥珀の間は当時のドイツ王がピョートル大帝に琥珀を10万ピースをプレゼントしたことから始まります。
豪華絢爛さは権威の象徴であり、最初はピョートル大帝の娘エリザベータ女帝が、皇帝の冬宮に「琥珀の部屋」を作ります。
その後帝位に就いたエカテリーナ2世が夏宮としていたエカテリーナ宮殿に「琥珀の間」を設けました。
エカテリーナ2世は「琥珀の間」を特別なプライベート空間として愛用していたと言われています。
しかし、第二次世界大戦時にドイツとロシアが敵対することになったため、ドイツ・ナチスに琥珀の間は奪われてしまい、今も行方がわかっていません。
2003年にロシア大統領プーチンは、帝政時代の首都サンクトペテルブルグ建都300年を祝って、24年の歳月を費やし「琥珀の間」を復元しました。
光の加減で色が変わる!
名前とは裏腹に一見すると、蜂蜜のような色をしているブルーアンバー
紫外線に当たると反応し、鮮やかな緑や青色に変化します。
ブルーアンバーの産地はドミニカが有名ですが、元々産出量は少ない上に、近年の人気の高まりから価格も高騰しており市場に出回ることが少なく、希少性が高くなっています。
ドミニカ以外にもメキシコ、パナマ共和国、ミャンマーなどでも産出されます。
希少性も高く、ドミニカ産と偽って販売していることもしばしば見られることがあり、購入する際には注意が必要です。