ティファニーとクンツァイト

クンツァイト

クンツァイトはスポジュメン、リシア輝石などと呼ばれる珪酸塩鉱物に属する輝石の一種です。愛らしい色合いのクンツァイトだけが持つ”ライラックピンク”が魅力的です。

クンツァイトの特徴には、燐光性と多色性の二つがあります。

燐光性とは、紫外線に当たって蛍光を示す宝石が、紫外線照射後も発光を続ける現象を言います。この燐光性があるクンツァイトは、太陽の光を当てた後に暗い部屋に持ち込むと、キラキラと光を放つ大きな特徴があります。そのキラキラと光を放つ様は、夜会やイブニングドレスに大変映えることから”夕べの宝石”とも。しかし、クンツァイトの最大の弱点は紫外線。美しき夕べの宝石の名に正しく、夕べ以降に使用することが理想的です。なぜなら、紫外線に当たると退色してしまい色が変化してしまい、日中に不向きな宝石です。ライラックピンクが美しいクンツァイトの色を維持していくには、取り扱いには注意が必要です。(なるべく日中ではなく、夜間の着用をおすすめします…。)

多色性とは、見る角度によって色が異なって見える現象の事です。濃いピンクや薄いピンクはたまたま透明に見えたりと、様々な表情を見せてくれるクンツァイトはちょっぴり小悪魔な表情が魅力的です。

主にアメリカ、ブラジル、マダガスカル、オーストラリアなどの多くの国と地域で採掘されます。

ティファニー伝説の宝石鑑定士が発見!

クンツァイトは、20世紀初めにアメリカ カリフォルニアでクンツ博士によって発見された比較的新しい天然石です。このクンツ博士とは、ティファニー社の宝石鑑定士であり、ジェムストーンを世に知らしめ、今日のジェムストーン人気に火をつけたティファニー社伝説の宝石鑑定士であり、後の世界的宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツです。クンツ博士は、アメリカにはまだ発見されていない素晴らしい天然石があると、新しい宝石の発見に心血を注いだ人物でした。クンツァイトが発見された頃、スポジュメンは採掘し尽くされたとされていましたが、ライラックピンクのスポジュミンが発見されたことに大変喜び、その功績からクンツ博士の名前を取り、クンツァイトと名付けられました。

最も華やかなファーストレディの指輪として

ケネディ元大統領と妻ジャクリーン

アメリカの元大統領にして国民的人気を博し、大統領就任中の遊説の際に凶弾に倒れた悲劇の大統領ケネディ。死後数十年経っても今でもなお、人気は衰えることはありません。そんな若くしてアメリカを背負って立つケネディ大統領の人気の影には、気高く可憐で”アメリカ史上最も華やかなファーストレディ”と称された妻ジャクリーンの存在が欠かせません。
彼女はファーストレディとして、夫を支える糟糠の妻としてではなく、自らの美的センスを最大限に生かし、洗練されたファッションやジュエリー、ヘアスタイル、言動や立ち居振る舞いに至るまで、当時の女性たちに新しい流行を巻き起こしていました。ファッションアイコンとしては勿論、ファーストレディとしても女性の憧れの的であり、世間からもファッション業界からも一目置かれる存在でした。

そんな稀代の大統領とその夫人には、いくつもの物語が存在します。華やかでスタイリッシュな大統領夫妻。悲しいことも嬉しいことも様々に共有し夫婦としてお互いに支えあってきました。

折しも節目の結婚10年目のクリスマス。ケネディ大統領はピンク色が好きなジャクリーンに大きなクンツァイトの指輪をプレゼントしようと宝石店に依頼をしました。これからの人生へ、また、これまでの結婚生活10年に対する大切なメッセージをクンツァイトの指輪に託したのです。

しかし、ケネディ大統領からジャクリーンに直接指輪が手渡されることはありませんでした。指輪の作成を依頼した数週間後にケネディ大統領は凶弾に倒れました。ケネディ大統領が亡くなった後、ジャクリーンは、一年間喪に服しジュエリーを身に着けることはなかったといいます。

しかし大統領の死後、秘書からクンツァイトの指輪を受け取った、このクンツァイトの指輪だけは身に着け続けたと言われています。

クンツァイト
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