瑞々しいマスカットのような見た目とシルクのような光沢が美しいプレナイト
和名は、マスカットによく似た見た目と産出されるときに”団塊状結晶”という一房のぶどうのような集合体で産出されることから、”ぶどう石”という名前がついています。
プレナイトの名前の由来は、オランダのプレーン男爵が発見したことに由来します。現在では、クンツァイトやスギライトなど多くの鉱物に人名がついていますが、鉱物名に人名が採用されるのは初めての事でした。
石の色自体は白色、灰色、黄色などがありますが、産出される多くは薄い黄緑色です。
プレナイトは当初、その薄い緑色からマスカットではなく、ケープ越しに見たエメラルドに例えられて”ケープエメラルド”と名が付きました。プレナイトは、エメラルドとは全く異なる鉱物であり、混同される事を懸念し現在では、ケープエメラルドと呼ばれることはあまりありません。
オーストラリアやインド、マリ共和国など世界各国で産出されます。また、日本では新潟県の糸魚川を筆頭に割と多くの場所で産出されます。現在は採掘することはできませんが、山梨県でも身延町方面でプレナイトが産出されていました。
産地によって色が異なり、日本産のものは半透明~不透明で色も極めて薄い白~薄緑色の淡い色のものが産出されることが多く、ジュエリーにはあまり向きません。オーストラリアやマリ共和国などで産出されるものは、透明に近く色味が濃いものが多いようです。その中でも、ミントグリーン色や薄水色のプレナイトは希少性が高く、ジュエリーでの使用や鉱物コレクターに人気があります。
透明に近い石質のプレナイトの場合、カボションカットを施すとキャッツアイ効果がまれに見られることがあります。
また、エピドート(緑れん石)の針状結晶が内包物として含まれている場合があり、濃いモスグリーン色をしたエピドートとマスカット色のプレナイトの色どりは雄大な大自然を感じさせます。