二つの硬度を持つ神秘の青色!カイヤナイト

吸い込まれそうな深い青色をしたカイヤナイトは、サファイヤにも劣らぬ美しさを持つ宝石です。カイヤナイトという名前の語源は、ギリシャ語の深い青を意味するkyanosに由来します。和名は藍晶石といい、深い青色の藍を連想させる事からこの名がついています。

色は特徴的なブルー他、ライトブルー、ブルーグリーン、クリアカラー、グレーやピンク、ホワイトなど様々な色があります。その中でもピンクのカイヤナイトは産出されることが少なく、希少性が高くなります。

主にネパールやブラジル、ケニア、タンザニアなどで産出されます。

多くのカイヤナイトには、石表面に無数の傷、内部に多くのクラックを帯びているものが多いのも特徴です。これは、カイヤナイトの結晶自体が縦方向に無数の線を束ねたように結晶することから、いくら研磨してもすり傷のように見えてしまうことと、縦方向からの圧力には傷がつきやすいことが起因します。

カイヤナイトの大きな特徴は、角度によって硬度が変わり、同じ石なのに、二つの硬さを持つということです。結晶が伸びた方向では、マラカイトやプラチナと同じ硬さの硬度4なのに対し、直角方向からだと硬度7~7.5になり、クォーツやアメジストなどと同じような硬さになります。硬度7では、ナイフなどの刃物では傷をつけることができません。この二つの硬度を持つ石のことを二硬石(ディスシーン)といいます。

カイヤナイトの結晶は、中心にいくほどに濃い色合いになり、端に行くほど色が薄くなることが多いようです。そのため、硬度が角度によって異なる二硬石という特性も含めると宝石としての加工が難しい石になります。

全体的に衝撃に弱く、劈開性もあり、なおかつ紫外線に当たることによって退色する恐れもあります。

また、耐熱セラミックの製造にも用いられ、工業製品としても需要がある宝石です。

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