スピネルは尖晶石とも呼ばれ、かんらん石、石灰岩などの岩中に存在しており、無色から赤、青、紫などの様々な色があります。これは、結晶が成長するときに取り込まれたわずかな鉄やマンガン、クロム等によって色が付きます。硬くて透明度も高いものは輝きが素晴らしく人気があります。
ルビーやサファイヤなどのコランダムグループに混同されていた時期もあります。
主な産地はミャンマー、タンザニアスリランカなどの土砂などが堆積した漂砂鉱床から採掘されることが多く地域ごとに特徴があります。
ルビーにそっくり!?
スピネルが最も知られているのは赤色で、ルビーと同じ鉱床から採掘されることが多かったため、長い間ルビーと間違えられていました。古くからアフガニスタンで産出されていたので、アフガニスタンの地名をとって「バラス・ルビー」と呼ばれていました。
同じように青いスピネルはサファイヤの一種だと考えられており、18世紀頃になってコランダムのグループではないことが分かりました。
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ブラックプリンス・ルビー
イギリスの王冠には歴史に登場する有名な宝石がいくつかありますが、その一つが イギリスの載冠式で使われる 「ブラックプリンス・ルビー」です。
14世紀に百年戦争で幾多の勝利をもたらした、イギリスのエドワード王子は、戦場で常に黒い鎧甲をまとった事から「ブラックプリンス(黒太子)」と呼ばれていました。
スペインのペドロ1世からイギリスのエドワード王子に贈られたもので、 歴々の王の王冠として受け継がれてきました。
ルビーと名付けていますが、スピネルがルビーと混同されていた時代に作られていたので、ブラックプリンスルビーと名付けられています。
美しさは秀逸!ミャンマー産スピネル
ルビーと同様に最高級品とされるのはミャンマー産のスピネルでルビーに似た濃い赤色が最高級品とされています。
ホットピンクスピネルと言われる蛍光色のように輝く濃いピンクの物が人気が高く高値で取引されます。