青紫色に輝くタンザナイト
タンザナイトは、ゾイサイトという鉱物の事で正式には”ブルーゾイサイト”と言い、和名は灰簾石(ゆうれんせき)といいます。ゾイサイト系の鉱物は他には、グリーン系ゾイサイトのアニョライトなどがあり、赤系〜ピンク系のものがチューライトと呼ばれています。チューライトは、赤〜ピンク色をしていますが、その発色はマンガンの含有率により変わってきます。チューライトという名前は、この石の主要な産地であるノルウェーの古い地名「チュール」に由来します。
タンザナイトは、1960年代のアフリカ東部にあるタンザニア北部のメレラニ鉱山で先住民によって発見されました。タンザナイトはこのメレラニ鉱山でしか採掘ができないため、採掘量に限界がありダイヤモンドの1000倍希少な天然石とも言われています。モース硬度が6~7程度と、柔らかく、一定方向に割れやすい劈開があり、傷もつきやすいため、取り扱いには注意が必要です。
見る角度によって色が変化する不思議な宝石で、強い多色性を持っています。この多色性により、発見された時はサファイアと間違えられたほど。タンザナイトは、自然光の下ではサファイヤのように強い青紫色に輝き、夜のライトの下では高貴な紫色に輝く変化があります。この色の変化を昼から夜に変化する様に見立て、世界5大ジュエラーのティファニー社によって、発見された地のタンザニアに因み、”タンザニアの夜=タンザナイト”という名前になりました。
また、2020年6月16日にタンザニア北部の鉱山で9.27kgもの大きさのタンザナイトが発掘されました。過去最大の大きさのタンザナイトの原石は3億円を超える額で国に売却されました。この原石を使った宝飾品にすると、10億円はくだらないとのことです。