ジュエリーをよく見てみるとK18・18K、K24・K24などの小さな文字が刻まれていますよね。みなさんはこの刻印が何を意味するか知っていますか?
刻印の意味を知ればジュエリーの価値を正しく理解することができるので、学んでおいて損はありません。本記事では特に「金」にフォーカスして刻印の意味を解説します。
K18と18Kの違いって何?
K18も18Kも似たようなものだと思いがちですが、実は全く異なるものの可能性があります。たいてい刻印はネックレスなら留め具部分、指輪なら内側に彫られています。家にジュエリーがある人は探しながら以下を読んでみてください。
K18は主に国内で製造された金製品
K18は「主に日本国内で作られた金製品で、金純度は75%」ということを意味しています。まず「K」の意味ですが、金の単位である「カラット(Karat)」の頭文字です。カラットと聞くと宝石の重さをイメージすることが多いですが、実は金にも使用される単位なのです。
次に「18」という数字についてですが、金はいわゆる「24金(=K24)」が純度100%となるので、24を基準とすると18は「18/24」で75%と計算されます。
なお国内製品かつ、造幣局による純度の証明が行われている製品には「ホールマーク」と呼ばれる日本国旗のマークと純度を千分率で示す刻印がつきます。「K18」と刻まれていてもホールマークが無い製品もあるので、プレゼント等で造幣局のお墨付きがあるジュエリーを購入したい場合はホールマーク付きのものを購入すると良いでしょう。
ちなみに誰もが知っている超有名ジュエリーブランドでもホールマークが無いことがあるので、ホールマークが無いからと言って悪い製品ということではありません。細身のリングなどはホールマークを打刻するスペースがないことも。あったら良いな、と目安程度に考えておきましょう。
以下の画像はホールマーク付きK18ネックレスです。(裏面にK18と刻印があります)。左側に小さく日本国旗のマークがあり、右側にある「750」の数値は750/1000=75%の純度を示します。
18Kは海外製品もしくはコーティング品
次に18Kについてです。こちらは「K」の文字が数字より後に刻まれていることから『後K(アトケー)』と呼ばれることもあります。数字の後にKが彫られている場合、海外の金製品もしくは金でコーティングされた製品と覚えておきましょう。
18Kなら75%の純度の海外金製品、もしくは75%の金で元の素材をコーティング加工されている製品となります。しかし、そのジュエリーが前者か後者か区別することは見ただけでは難しいです。気になる場合にはプロにジュエリーの重さを計ってもらい、比重等を確認することで調べることは可能です。
なお海外製品には「K」の刻印がないジュエリーも多く存在します。理由は、海外では刻印の規格が定まっていないことがあるためです。
例えば以下の画像はイタリア製の18金ネックレスですが、「18K」の刻印がありません。代わりに「750 ITALY」と書かれており、「750/1000」つまり75%の純度であることを示しています。
18KGP・14KGFとは?違いは?
18KGPと14KGFはいずれも、金でコーティングされているジュエリーを意味します。GPとGFはそれぞれ「Gold Plated(金メッキ)」「Gold Filled(金張り)」の略です。「18KGP」なら「18金でメッキ加工されている」という意味になります。
GFはGPよりも厚い金の層でコーティングされており、GPよりも表面が剥がれづらいのが特徴です。一般的に価格もGFの製品の方が高くなります。
なおどちらもコーティングだからと言って悪いと決めつけるのは良くありません。金は貴金属の中でもアレルギーが起こりづらい素材であることがポイントです。
例えばジュエリーの本体に銅や銀、真鍮などの素材を使い、肌に触れる部分に金でコーティングを行えば、安価なのに金属アレルギーが起こりづらい製品ができます。「ジュエリーが欲しいけれどまずはリーズナブルなものから試したい。でも金属アレルギーが心配。」という場合には、18KGPや14KGFの製品を選ぶと良いでしょう。
もちろん、18KGPや14KGFのジュエリーでもアレルギーが起きてしまう可能性はゼロではありません。これらはあくまで元の素材を金で覆っているだけなので、使用しているうちに少しずつ表面の金が剥がれていってしまうことがあります。お肌が敏感な人は様子を見ながら着用することをおすすめします。
刻印を知ってジュエリーの価値を正しく理解しよう
本記事では金の刻印についてまとめてみましたが、少なくとも以下3つのポイントを覚えておけば基礎知識としては十分です。
・金の純度は「24」が基準である
・「K」が数字より先に彫られていれば国内の金製品
・「K」が数字より後に彫られていれば海外製品もしくはメッキ品
他にも75%の純度のプラチナ製品なら「Pt750」、18金のホワイトゴールド製品なら「K18WG」などと彫られていることもあり、調べてみると奥が深いものです。ジュエリー購入を考えている際には、事前にこういった刻印の知識をつけておくと製品の正しい価値がわかります。